採用SNSの効果測定の答えは、応募数だけで判断せず、「届く→見られる→興味を持たれる→応募に進む」という流れの各段階の数字を順番に見ることです。応募が来ない原因は、この流れのどこかで人が離れていることがほとんどで、数字を分けて見れば直すべき場所が分かります。この記事では、採用SNSで見るべき数字(KPI)、月1回の振り返り手順、改善の進め方を、中小企業の担当者向けに解説します。

採用SNSの効果測定とは

採用SNSの効果測定とは、投稿が採用の成果にどうつながっているかを数字で確認し、次の企画や導線の改善に生かすことです。結論として、最終成果である応募数だけを見る方法はおすすめできません。応募は多くの要因が重なって生まれる結果であり、数が少ないときに「何が悪いのか」が分からなくなるからです。

求人広告は掲載数や応募数を見れば済みますが、SNSは応募の前に「知る」「好きになる」という段階があります。そのため、成果を一つの数字で語るより、段階ごとに数字を置いて見るほうが実態に合います。

応募数だけを見てはいけない理由

投稿を始めて数ヶ月は、応募数がゼロや1〜2件という時期が珍しくありません。このとき応募数だけを見ると「SNSは効果がない」と判断して止めてしまいがちです。しかし実際は、再生数が伸びている、プロフィールに来る人が増えているなど、手前の数字は良くなっていることがあります。逆に、再生数は多いのに応募につながらない場合は、動画ではなく応募導線に問題がある可能性が高いと分かります。

採用SNSで見るべき数字(KPI)

数字を一覧で見られる管理画面
数字は1画面にまとめて毎月同じ形で見ると、増減の理由がつかみやすくなります。Buzzryでは管理画面を自社開発して使っています。

見るべき数字は、応募に至る流れの順に5つに整理できます。まずは次の表で全体像を確認してください。

段階見る数字分かること低いときの改善例
届く再生数・リーチ数どれだけ新しい人の目に触れたか冒頭2秒のつかみ、投稿の本数と時間帯を見直す
見られる視聴維持率・平均視聴時間最後まで見たいと思われる内容か説明を削り、結論を先に出してテンポを上げる
興味を持たれるプロフィールアクセス・フォロー数会社そのものに関心を持たれたか動画の最後でプロフィールに誘導する
応募の手前リンクのクリック・DM・コメント応募を検討する段階まで来たか採用ページの内容とリンクの置き場所を直す
成果応募数・面接数・採用数最終的な結果面接での聞き取りを記録し、投稿との関係を探る

再生数・リーチ数:どれだけ届いたか

再生数は、投稿が何回再生されたかを示します。リーチ数は、投稿を見た人の数(重複を除く)です。この2つは「新しい人にどれだけ届いたか」を見る数字で、最初の入口になります。ただし再生数は、内容と無関係な要因でも上下します。1本の数字に一喜一憂せず、直近の複数本の平均や傾向で見てください。

視聴維持率:最後まで見られているか

視聴維持率は、動画が最後まで、または何秒まで見られたかの割合です。採用SNSでは、再生数よりも重要な数字になることがあります。最後まで見た人は、会社の話に関心がある可能性が高いからです。途中で多くの人が離れている場合は、冒頭が長い、話が遠回りしているなどの原因が考えられます。TikTokやInstagramの分析画面では、どの時点で離脱したかのグラフを確認できます。

プロフィールアクセス・フォロー数:興味を持たれたか

動画を見た人が「この会社をもっと知りたい」と思うと、プロフィールを開きます。プロフィールアクセスは、採用SNSで最も重要な中間指標です。動画が見られているのにプロフィールに来る人が少ない場合は、動画の中で会社名や何をしている会社かが伝わっていない、または動画の最後に次の行動を促していない可能性があります。

リンクのクリック・DM:応募の一歩手前

プロフィールのリンクのクリック数や、DM・コメントでの質問は、応募の一歩手前にいる人の動きです。ここが少ないときは、プロフィールの情報が不足している、リンク先の採用ページが分かりにくい、といった導線の問題を疑います。Instagramなら、ハイライトに募集要項や社員紹介をまとめておくと、迷わず進めます。

応募数・面接数・採用数:最終成果

最終成果は、応募数だけでなく、面接に進んだ人数や採用数まで追うのが理想です。SNS経由の応募は、会社の雰囲気を理解したうえで来る人が多いと言われており、面接での相互理解が進みやすい傾向があります。ただし業種や職種で差が大きいため、他社の数字と比べるより、自社の推移を見ることを重視してください。

月1回の振り返り手順

担当者と一緒に数字を振り返っている様子
月1回、担当者と一緒に数字を見ながら「次の1ヶ月で変えること」を1つ決めます。

数字を見る頻度は、月1回で十分です。毎日見ると日々の変動に振り回され、企画が定まらなくなります。次の手順で、30分ほどで終えられる形にしておくと続きます。

  1. 数字を表に写す:各アプリの分析画面から、再生数・視聴維持率・プロフィールアクセス・リンククリックを月単位で記録します。
  2. 上位と下位を比べる:反応が良かった投稿3本と、悪かった投稿3本を並べ、内容の違いを書き出します。
  3. 離れた場所を特定する:表の「届く→見られる→興味→応募」のどこで数字が急に落ちているかを見ます。
  4. 直す場所を1つ決める:一度に複数を変えると原因が分からなくなるため、来月に試すことは1つに絞ります。
  5. 面接の記録を足す:応募者に聞いた「知ったきっかけ」を集計して、数字と照らし合わせます。

最初の3ヶ月の目安

アカウントの方向性が視聴者に伝わるまでには、一定の本数と期間が必要です。最初の3ヶ月は応募数を目標にせず、視聴維持率とプロフィールアクセスが少しずつ上向くかどうかを見ましょう。この2つが改善していれば、応募はあとから追いついてくることが多いです。

応募につながったかを調べる方法

SNS経由の応募は、求人サイトのように自動で数えられないことがあります。そのため、人の手で記録する仕組みが欠かせません。

  • 面接で必ず聞く:「当社をどこで知りましたか」「SNSで印象に残った動画はありますか」を全員に聞き、記録する。
  • 応募フォームに項目を作る:「応募のきっかけ」の選択肢にTikTok・Instagramを入れる。
  • 採用ページ専用のリンクを使う:プロフィールのリンクに、流入元が分かるパラメーター付きのURLを使い、アクセス解析で確認する。

特に面接での聞き取りは、費用がかからず効果の高い方法です。「どの動画を見たか」まで聞けると、次の企画のヒントにもなります。なお、Buzzryが支援した不動産会社様では、社長のTikTokから毎月フォロワー数の5〜10%ほどが採用ページへ訪れており、プロフィールからの流入を継続的に追うことで、どの企画が応募に近いかを把握しています。

数字が悪いときの改善の進め方

数字が悪いときは、落ちている段階ごとに直す場所が決まっています。原因を決めつけず、次のように切り分けてください。

再生数が少ないとき

冒頭2秒のつかみを変えるのが第一歩です。「今日は〇〇を紹介します」といった前置きを削り、いきなり結論や一番面白い場面から始めます。投稿の本数が少なすぎる場合は、週1〜2本以上を目安に回数を増やします。

視聴維持率が低いとき

動画が長すぎる、説明が多い、同じ画が続くといった原因が考えられます。1本あたりの尺を短くし、話の区切りごとに画を切り替えてテンポを上げましょう。企画そのものが視聴者の関心に合っていない場合もあるため、反応の良かった投稿に近い内容を増やすのも有効です。

プロフィールアクセスが少ないとき

動画の中で、どこの会社か、何をしている会社かが伝わっているかを確認します。動画の最後に「くわしくはプロフィールへ」と添える、字幕に会社名を入れる、といった小さな工夫で変わることがあります。

リンクのクリックや応募が少ないとき

動画ではなく導線の問題である可能性が高い段階です。プロフィールに募集職種が書かれているか、リンクを押すとスマートフォンで見やすい採用ページに移動するか、応募フォームの入力項目が多すぎないかを実際に自分のスマートフォンで試してください。

やりがちな失敗

  • フォロワー数だけを目標にする(採用では、フォロワー数より採用したい層に届いているかが重要です)
  • 1本の投稿の数字で企画の良し悪しを決めつける
  • 数字を取っているだけで、改善に使わない
  • 面接での聞き取りをせず、SNSの貢献が見えなくなる

数字はあくまで改善の道具です。完璧に集計することより、毎月同じ項目を同じ方法で記録し、変化を読み取ることを優先しましょう。

Buzzryのサポート

株式会社Buzzryの代表と役員
Buzzryの採用SNS運用は、月次レポートと振り返りの打ち合わせをセットで行います。

Buzzryでは、採用に特化したTikTok・Instagramの運用代行「バズ丸くん」を提供しており、企画・撮影・編集・投稿に加えて分析と改善まで一括で担当します。テーマパーク・ホテル運営会社様では、SNSの運用を通じて応募600名、面接400名、新卒内定16名、中途内定11名につながりました。数字の見方から一緒に整えたい方は、SNS運用代行のページや実績紹介をご覧のうえ、お問い合わせからご相談ください。始め方から知りたい方は採用にTikTok・Instagramを使う理由と始め方もあわせてご覧ください。