「体育会系の学生を採用したいが、どこで出会えばいいのか分からない」「面接では皆しっかりして見えて、違いが分からない」。新卒採用を担当する方から、こうした声をよく聞きます。体育会系の学生は、部活の練習や試合で忙しく、一般的な就活サイトや合同説明会に顔を出す時間が限られています。そのため、待っているだけではなかなか出会えません。この記事では、企業が体育会系学生を求める理由から、出会い方の比較、面接だけに頼らない見極め方、採用時の注意点、そして就活イベントに参加するときの準備と当日・事後の動き方までを、採用担当者向けに整理して解説します。
企業が体育会系学生を採用したい理由
体育会系学生が新卒採用で注目される理由として、よく挙げられる強みがいくつかあります。もちろん個人差はありますが、部活動という環境で何年も過ごしてきた経験から、次のような力が育ちやすいと言われています。
継続力・忍耐力
毎日の練習を何年も続け、結果が出ない時期も投げ出さずに取り組んできた経験は、仕事でも生きます。営業や現場職のように、成果が出るまでに時間がかかる仕事では、地道に続けられる力が大きな武器になります。
チームワークと上下関係の理解
チームの勝利のために自分の役割を考え、先輩・後輩・監督と関わりながら動いてきた経験は、組織で働くうえでの土台になります。あいさつや礼儀、報告・連絡・相談といった基本が身についている学生も多く、入社後に周囲となじみやすい傾向があります。
目標達成力と主体性
大会での勝利や記録更新など、明確な目標に向かって逆算して練習を組み立てる経験は、数字目標を追う仕事と相性がよいとされます。また、キャプテンや副キャプテン、学生コーチなど、チームを動かす役割を経験した学生は、リーダーシップや周囲を巻き込む力を持っていることがあります。
ただし、これらはあくまで「育ちやすい傾向」です。体育会に所属していたという事実だけで、その学生がこれらの力を持っていると判断するのは危険です。後半で解説するように、一人ひとりを見て評価する仕組みが欠かせません。
体育会系学生と出会う5つの方法
体育会系学生との接点づくりには、いくつかの方法があります。それぞれに向き不向きがあるため、自社の採用人数・時期・予算に合わせて組み合わせるのが現実的です。
1. 部活のOB・OGネットワーク
社内に体育会出身の社員がいれば、その社員の出身大学や部活とのつながりを活用できます。OB・OGを通じた紹介は信頼関係が前提にあるため、学生も話を聞いてくれやすいのが利点です。一方で、つながりのある大学・部活に偏りやすく、採用人数を増やしにくい面があります。
2. 体育会に特化した就活サービス
体育会学生を対象にした就活サイトや紹介サービスを使えば、まとまった数の学生にアプローチできます。登録している学生は就活への意識が高い場合が多い一方、同じサービスを使う他社と比較されやすく、条件面や知名度での勝負になりがちです。
3. 体育会系向けの就活イベント
体育会系学生を集めた就活イベントは、学生と直接会って話せるのが最大の利点です。特に、ブース形式の説明会ではなく、ゲームやワークを一緒に行う体験型のイベントでは、学生の普段の振る舞いが見えやすく、面接では分からない一面を知ることができます。
4. インターンシップ
自社でインターンを受け入れれば、実際の仕事を通じて学生の働きぶりを見られます。部活で鍛えた継続力は長期インターンとも相性がよいとされます。ただし、部活の練習日程と両立できる時間設計が必要で、受け入れ側の負担もかかります。
5. SNSでの発信
TikTokやInstagramで社員や職場の様子を発信すると、まだ就活を本格的に始めていない学生にも会社を知ってもらえます。すぐに応募につながるとは限りませんが、イベントで出会った学生が後からアカウントを見て、会社への理解を深めるきっかけにもなります。SNS採用の始め方は採用にTikTok・Instagramを使う理由と始め方で解説しています。
出会い方の比較表
| 方法 | 出会える人数 | 学生の素顔の見えやすさ | 向いている会社 |
|---|---|---|---|
| 部活OB・OGネットワーク | 少なめ(つながり次第) | 紹介者を通じて人柄が分かる | 体育会出身の社員が多い会社 |
| 体育会特化の就活サービス | 多め | 書類や面談が中心で見えにくい | 一定数をまとめて採用したい会社 |
| 体験型の就活イベント | 1回あたり中程度 | ゲームや交流で見えやすい | 知名度に頼らず人柄で選びたい会社 |
| インターンシップ | 少なめ | 実務を通じて最もよく見える | 受け入れ体制を整えられる会社 |
| SNSでの発信 | 長期的に広がる | 会社側を見てもらう手段 | 継続して発信できる会社 |
表のとおり、どの方法にも一長一短があります。「まず出会う場」と「深く知る場」を分けて考えると、組み合わせ方が見えてきます。たとえば、就活イベントやSNSで接点をつくり、気になった学生をインターンや早期選考に案内する、という流れです。
面接だけに頼らない見極め方
体育会系学生は、面接の受け答えがはきはきしていて、第一印象がよい学生が多い傾向があります。その分、面接だけでは違いが見えにくいという悩みもよく聞きます。用意してきた志望動機や自己PRは、どうしても似た内容になりがちです。
体験型の選考・ワークを取り入れる
そこで有効なのが、グループワークやゲームなど、一緒に何かを体験する場を選考の前後に入れることです。チームで課題に取り組むと、次のようなポイントが自然と表れます。
- 役割分担のときに、自分から手を挙げるか、周りの意見をまとめるか
- うまくいかないときに、あきらめずに別の方法を試せるか
- 初対面のメンバーとも、すぐに協力関係をつくれるか
- 時間やコストなどの制約の中で、優先順位をつけられるか
- 結果を振り返り、次に生かす言葉を持っているか
部活の経験は「役割」と「工夫」を聞く
面接で部活について聞くときは、「何を頑張ったか」よりも「チームの中でどんな役割を担い、どんな工夫をしたか」を掘り下げると、その学生ならではの考え方が見えてきます。レギュラーかどうか、成績がよかったかどうかではなく、自分の立場でどう考えて動いたかに注目しましょう。
評価の観点を事前にそろえる
体験型の場で学生を見るときは、面接官ごとに印象がばらつかないよう、見る観点を事前に決めておくことが大切です。「主体性」「協調性」「粘り強さ」など3〜4項目に絞り、具体的な行動をメモしておくと、後から比較しやすくなります。
体育会系採用で気をつけたいこと
「体育会だから」で一律に評価しない
体育会出身という肩書きは、あくまで一つの経歴です。体育会の学生にもさまざまな個性があり、向いている仕事も一人ひとり違います。「体育会だから営業向き」「体育会だから根性がある」と決めつけると、入社後のミスマッチにつながります。逆に、体育会以外の学生にも、継続力やチームワークを持った人は大勢います。
組織の多様性を意識する
同じような経歴・考え方の人ばかりが集まると、組織の視点が偏りやすくなります。体育会系学生の採用に力を入れる場合も、それ以外のルートでの採用と組み合わせ、チームとしてのバランスを意識しましょう。また、上下関係を重んじる文化に慣れた学生が、意見を言いやすい職場づくりも大切です。
部活の日程に配慮する
体育会系学生は、練習や遠征、大会で予定が埋まっていることが多くあります。選考日程を柔軟にする、夕方以降の時間帯に面談を設定するなど、学生が参加しやすい形を用意すると、それだけで他社との差になります。
28・29卒こそ「早めの接点」が大切な理由
体育会系学生の多くは、部活の引退時期まで就活に十分な時間を割けません。そのため、本格的に動き出す前の段階で接点を持てるかどうかが、採用の成否を左右します。28卒・29卒の学生とは、まだ志望業界が固まっていないうちに出会えるのが利点です。
- 知名度で選ばれる前に会える:就活が本格化すると、学生は知っている企業から見始めます。その前に会えば、中小企業でも「人」で興味を持ってもらえます
- インターンにつなげやすい:早い時期に出会えば、長期インターンや短期のワークに誘う時間的な余裕があります
- 関係を育てられる:一度会った学生に、SNSや連絡でその後も情報を届けることで、就活解禁時に「最初に思い出す会社」になれます
早期接点は、すぐに内定を出すためだけのものではありません。学生との関係を長く育てる起点として考えると、取り組み方が変わってきます。
体験型就活イベントを最大限に活用するコツ
体験型の就活イベントに参加しても、「楽しかったけれど、その後につながらなかった」という声は少なくありません。成果を出す企業は、準備・当日・事後のそれぞれで次のような工夫をしています。
事前準備:採りたい学生像と自社紹介を固める
- どんな学生に会いたいか(職種、性格、入社時期、インターン希望かどうか)を社内で言葉にしておく
- 短い時間で自社の魅力が伝わる紹介を用意する。事業内容より「どんな人と、どんな雰囲気で働くか」を中心に
- 参加する社員を選ぶ。学生と年齢の近い若手社員と、その場で判断できる立場の人の組み合わせが理想
- 名刺を多めに用意する。学生と連絡を取り合うきっかけになります
当日:説明するより、一緒に楽しむ
体験型のイベントでは、企業側がどれだけ場に入り込めるかが重要です。ゲームの様子を遠くから見ているだけでは、学生との距離は縮まりません。声をかける、質問する、一緒に笑う、といった関わりの中で、学生も企業の「素顔」を見ています。気になった学生には、その場で具体的に「どこがよかったか」を伝えると、印象に強く残ります。
- 気になった学生の名前と、印象に残った行動をその場でメモする
- 名刺交換では、会社の説明よりも学生自身の話を聞く
- 次のステップ(面談、インターン、選考)をその場で案内できるようにしておく
事後フォロー:熱が冷めないうちに連絡する
イベントで生まれた関心は、時間がたつほど薄れていきます。できればイベント翌日から数日以内に、気になった学生へ連絡しましょう。そのとき、定型文ではなく「ゲームの中での〇〇という動きが印象的でした」のように、当日の具体的な場面に触れると、学生は「ちゃんと見てくれていた」と感じます。
| タイミング | やること | ポイント |
|---|---|---|
| イベント前 | 採りたい学生像の共有、自社紹介・名刺の準備 | 参加社員の間で評価の観点をそろえる |
| イベント当日 | ゲームへの参加、名刺交換、気になる学生への声かけ | 説明より対話。印象に残った行動をメモ |
| 翌日〜数日以内 | お礼と個別の連絡、面談やインターンの案内 | 当日の具体的な場面に触れて連絡する |
| その後 | 選考・インターンへの案内、SNSでの継続的な情報発信 | 就活解禁まで関係を切らさない |
体育会系学生限定の就活イベント「INSPIRE RECRUIT」
Buzzryでは、FC GRANSUMAと共同で、体育会系学生限定の就活イベントINSPIRE RECRUITを企画・運営しています。ブースで話を聞く説明会形式ではなく、企業と学生が一緒に体験する形式にこだわったイベントです。
- 体育会系学生に特化:元部活生・現役の体育会所属学生が中心です
- 少人数制:1回あたり企業8社・学生15〜30名ほど。一人ひとりとしっかり話せる規模です
- 体験型のコンテンツ:営業ゲームやペーパータワーforビジネス、スポーツなどを通じて、面接では見えにくいリーダーシップや協調性が自然と表れます
- 全学生と名刺交換:学生一人ひとりの名刺を用意し、名刺交換の時間を設けているため、参加した全学生とコンタクトが取れます
- 全額返金保証:当日の学生の集客が規定の人数を下回った場合は、参加料を全額返金します(条件は開催ごとにご案内)
シリーズ第1回の「就活バレンタイン」では、参加8社中3社が内定者を、2社がインターン生を獲得しました。説明会への参加率は8社中8社の100%、満足度は95%でした。次回は28・29卒の体育会系学生を対象にした「HALLOWEEN RECRUIT2026」を、2026年10月26日に池袋で開催予定です。採用したい学生像や時期をお聞かせいただければ、開催内容をご案内します。まずはお気軽に参加のご相談ください。
まとめ
体育会系学生の採用では、継続力やチームワークといった強みに期待しつつも、「体育会だから」と一律に判断せず、一人ひとりを見ることが大切です。部活で忙しい学生と出会うには、OB・OGネットワーク、特化型サービス、就活イベント、インターン、SNSを組み合わせ、早い段階から接点をつくりましょう。そして、面接だけでなく体験型の場で学生の素顔を見て、出会った後のフォローまで丁寧に行うことが、自社に合う人材の採用につながります。


